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CSR戦略の方程式

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217回「CSR・企業危機ー日本のものづくりの崩壊その1」2018・1・9

日本企業のものづくりの崩壊
昨年10月以降に突然噴出した日本のモノづくりの不正が、モノづくりの日本神話を崩壊し、国内外に大きな衝撃を与えている。世界に冠たる日本を代表する大手企業で次々と、「取引先企業や一般消費者を裏切る行為」が発覚した。おそらく 松の内気分が抜けないうちにまた新たな不正が発覚するのではないか心配である。
日産自動車、スバルの無資格者による検査、、神戸製鋼所、東レ、三菱マテリアルの子会社、日立・日立エレベータなどの品質におけるデータの改ざんなど留まるところがない。次から次へと出てくるのが恐ろしい。どの事案でも、不正そのものがかなり古くから行なわれており、不祥事の根本原因が企業風土にも直結するような根深いもので、それは経営問題である。
それぞれ一連の事件は日本だけでなく、内外に深刻な問題と受け止められている。経団連会長の榊原定征氏が、ことの深刻さを受け止め、記者会見で、日本企業は「経営倫理と法令順守に基づいた経営を行ってほしい」と呼びかけた。しかし、翌日に、榊原会長の東レの子会社でのデータ改ざんが発覚した。

ものづくりの原点に立ち返れ
メイド・イン・ジャパンを支えてきたのは職人の技能や「匠」の精神と考えられる。マニュアルや数値に決して縛られない勘所や肌合いで絶妙の判断を下すやり方もまた脈々と受け継がれきた。私は、20数年前にホンダのエンジンを造る自動機械製造の現場を見学したが、その機械そのものは、職人技により、千分の1ミリを手触りで仕上げるものであった。その技能の高さに感動したことを今でも覚えている。しかし、経営レベルも現場の人間もこの技能のプライドを忘れたか、放棄してしまったのか、それともすでにそのようなものが身に着かない状況にあるのかわからないが、ものづくりの神話は崩れてしまったのだろうか。

そこで冷静になって考えてみた。神話は本当にあったのだろうか。日本人たちはありもしない神話を自分たちのよりどころにし、それに酔ってきたのではないか。また神話を隠れ蓑にして、不正をして世間を欺く行為をしてきたのではないだろうか。現場も経営者も架空の神話に胡坐をかき、顧客や社会をだましてきたのだ。自ら天に向かってつばを吐いた行為である。あの無事故の新幹線のインシデントも一連の事件に通じるものがある。

自動車業界はこれまで、メーカーはサプライヤーと一体になり検査費用を削減してきた。調達側企業は検査の手間をサプライヤーに任せ、仕事をできるだけ廃し低コストを実現してきた。でもこれが不正を起す原因でもある。

経営者の倫理観の欠如と無責任
各社とも不正がばれるのを恐れ、組織的な隠蔽が行われていた。当然、企業の説明責任が問われている。でも日産はことを軽く見ていたと思われる。それは記者会見に担当部長らが対応し、社長が最初から出てこなかったことから言える。日産と三菱自、仏ルノー3社の会長を兼ね、今年3月末まで日産の社長だったカルロス・ゴーン氏は、まだ公の場で説明していない。日本人の感覚からは許せない人ということになる。都合のいい時だけマスコミに顔を出す人だと言われても仕方がない。

神戸製鋼の場合もそうだ。問題を公表した最初の会見では、神戸製鋼は副社長、その後、批判が高まる中、社長が会見に踏み切ざるを得なくなった。
いずれも、監査役や社外取締役などによるチェックが機能せず、不正を何事もなく極秘に処理することに専念した。

企業統治の不全だけでかたずけるな
今回の一連の問題を世間的には企業統治の機能不全の事件と言われているが、本当に企業統治の問題なのか。経営問題であることは間違いないが、問題が起きると企業統治ができていないでかたずける傾向があるり賛成できない。

企業統治は、米国からもたらされた経営に関する概念であり、コーポレートガバナンスとも言い、企業価値の最大化や企業理念の実現に向けて、経営陣を動機づけると共に、企業経営の公平性や健全性、透明性を確保し、維持・推進する制度のことを言う。 この制度は、大きく分けて、企業の株主が自分の利益を守るために経営陣をいかにコントロールするかという視点に立った「株主主権型」と、様々なステークホルダーが相互の利害関係を円滑に調整することが望ましい統治をもたらすという視点に立った「ステークホルダー型」に分類されるが、後者の方に強い意識を持たない限りこの問題は永久に続くことになる。

立派な企業統治の制度があっても、そこに魂を入れるのは、経営者と従業員である。最近の経営には様々な制度があるが、それらは絵に描いた餅が多いのではないだろうか。

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第216回CSR・危機管理「トランプ政権の政策を日本のビジネスマンはどのように受け止めているか」2017・8・3

トランプ政権は、閣僚たちの辞任や解任内部対立が相次ぎ動揺しており、権威失墜の有様である。当初の強面の雰囲気が失われグローバル企業も大統領の心を忖度しなくなっている。日本政府は相変わらずトランプ政権との親密さを見せているが、企業はすでに冷めている。
日本のトップ企業の部課長約20名と会談する機会があり、トランプ大統領の政策、言動をビジネスマンとしてどのように受け止めているのかを聴いてみた。対象企業は、資源、重工、精密機器製造、薬品、食品、サービスなど多岐にわたる。
全般的にトランプの予測不可能な言動に警戒心を示しているが冷静である。直接影響を受けやすいのが自動車部品関係、食品業界や医薬品業界である。TPP離脱による二国間貿易について米国が厳しいことを言っているので、関係業界は不安がある。それでも、トランプはあういう人物なのだから、それを前提に冷静に対応していくことが望ましいという回答が得られた。
中には、日本に厳しくなる恐れがあると、日本企業の摘発が一番多い、談合やFCPAなどの賄賂などの取り締まりが一段ときつくなるのではないかと心配する企業もある。逆に、米国の法人税が減税されれば、減税というメリットもあるという。
以下、様々なリスクと懸念事項が述べられているが、メリットも挙げられている。
・米国政府の方針が不確実であることが不安である。
・米国の政策が見えないので、世界経済にも大きな影響を与え、社会不安も広がる。
・メキシコが生産拠点である企業は、製造だけでなく、物流でも影響を受ける。
・インフラ系のビジネスは、政府の意向で、受注がしやすくなるというビジネス上のメリットがあるかもしれない。
・二国間取引は、どのような展開があるのかわからないが、厳しいものとなるかもしれない。
・米国産の乳製品が日本に入ってくると、国産が影響を受ける。
・飼料の輸入を米国から求められれば、為替の影響で価格に変化が起きる。
・米国産輸入牛肉の関税の変更で、日本国産生産者への影響がある。
・貿易交渉による関税への影響
・生産立地などの中長期経営計画への影響が考えられる。
・オバマケア廃止による医薬への影響が心配だ。
・ドル・円相場の乱高下による価格や収支への影響と打撃。
・贈収賄やなどの取り締まりが厳しくなる。
・日本企業への攻撃が厳しくなる。
・米国法人税の減税で、米国子会社にはメリットとがある。
・北朝鮮リスクが拡大される。北朝鮮やテロの影響により世界的な右傾化の傾向がみられ、それがさらにテルなどの要因となり、海外出張者にも精神的な影響を及ぼしている。

以上

第216回CSR・危機管理「トランプ対策は冷静にが日本企業の考え」2017・6・22

前回の215回では、トランプ大統領にすり寄る米国の大企業の実態を述べた。どんな人であろうとも米国の大統領は世界一の権力者である。経営者にとっては怖い存在である。
トランプ大統領は、TTP離脱を行い、トヨタを恫喝し、それに即答したトヨタ社長が米国でのトヨタの雇用促進を含めた投資計画を発表したが、冷たく無視された。この一連のトランプの言動は日本政府と経済界に大きな衝撃を与えた。トランプは、二国間貿易による取引に帰ると発表した。中心は農産物ということで、食品業界はショックを受けた。メキシコでの自動車生産を含めて、自動車業界と農産物、食品業界は緊張感が漂っている。
このようなトランプ大統領の言動に日本企業はどのように反応したかをまとめてみた。

・ホンダは日本で生産する米国向け小型車「フィット」をメキシコ生産に集約する計画があったが、日本からの輸出を今まで通り続ける。また、今年からメキシコで増産する計画のある米国向けSUVも、日本からの米国輸出を検討中だ。
・メキシコで自動車向け部品工場新設を検討中の旭化成の小堀秀毅社長は、「場合によっては米国内の拠点拡大がいいかもしれない」と語る。
・自動車向けモーターをメキシコで生産する日本電産の永守重信会長兼社長も、「メキシコからの輸出がだめなら、米国工場に生産移管の可能性もある」と柔軟な態度を示した。
・日産のカルロス・ゴーン社長は、「米国で事業展開する全ての自動車会社は生産拡大の際に米国を最初に考えることになる」と指摘した。
・日立の中西会長は、「もし米国に工場を作れと言われたら」との問いに「米国企業を買収することを考えるかもしれない」と言った。
・ソニーの平井一夫社長は1月5日トランプ氏のトヨタ自動車批判に関連し、「人、物、カネ、情報が自由な形で流れていくことを担保するよう各国のリーダーにメッセージとして出していきたい」と自由な企業活動を確保するように求めた。
・「新日鉄住金」の進藤孝生社長は、「NAFTAが見直されると、メキシコで生産し、アメリカに輸出する自動車などはきつくなる」と懸念を示した。
日本から米国への自動車輸出は16年に175万台と15年から8%増えている。米国で売れた車全体の1割が日本からの輸出だ。輸出超過などが批判対象となる可能性があり、日本車メーカー幹部は「米国の政策によって複数のシナリオを用意しておく必要がある」と神経をとがらせている。

 このようにトランプの政策を冷静に見守り、無難な範囲内での計画変更、要望に柔軟に対処している。中には警戒する姿勢を見せている経営者も当然いるが、どちらかというと冷静に事態を見守っているような感じを受ける。
このところ、トランプも自分自身も自分の身の上の方が心配で、経済界が驚くような言動は、パリ協定からの離脱ぐらいで落ち着いている。暴言を吐く余裕がないのかもしれない。

このような状況を見極めたのか、米国のすり寄り大企業が豹変したのには驚いた。すり寄りの筆頭であるフォードが米国の雇用1400人を切り捨て、小型車の生産を中国で行うと発表した。米国で生産したのでは、利益が出ない、背に腹は替えられないということだ。これは当然のことだと思うが、フォードのCEOシールズは節操のない経営者だ。GMも同じく1000人の雇用者を切り捨て中国で、生産を行うと言う。相談したような変節ぶりだ。これに対するトランプの反応がまだ見られない。文句を言う余裕がなくなってきたのか。
米国の企業はトランプに逆らい始めた。日本企業はこれらの動きをどのように評価するのか。

第215回CSR・危機管理「トランプ対策は冷静にが日本企業の考え」2017・6・22

第215回CSR・危機管理「トランプ大統領のとんでも政策とすり寄る米国企業」17・6・12

「アメリカ・ファースト」これがトランプ大統領のスローガンだ。これは、米国が主導してきたグローバリゼーションを真っ向から否定する方向転換で、世界は驚き、彼を警戒し続けている。トランプ大統領は、米国の労働者の立場から見た自由、民主主義で、そこには世界や日本への意識がほとんどなく、米国第一主義に則ったものだ。目指すは「雇用の確保とアメリカの利益回復」だ。これはラストベルト、忘れられた人々への強烈なアピールとなった。彼は、選挙中の公約を無理やり実現しようとするので、様々な軋轢と対立を起している。
トランプは公約通り、米国に不利になると言ってTPPから撤退した。パリ協定からの脱退表明は、主要国を始め世界中から非難を受けている。これも米国の貧しい石炭労働者を守るためには必要だというのが彼の考えだ。でも米国では石炭は主要なエネルギー減ではない。G7=主要7カ国の環境相会合が6月11日からイタリア開催されたがアメリカからは、温暖化対策に批判的で協定からの脱退を支持する環境保護局長官のプルイットが出席したが、他の6か国は協定に残るように説得した。米国は引き続き環境問題に取り組んでいくと言わざるを得なかった。環境保護局長官は何を保護するのか。
今後、様々な政策での大きな対立を生みそうである。パリ協定からの脱退は、政権内部でも対立を生んでいる。トランプ政権は、メディアとの対立も含めて国内を分断している。
しかし一方では、トランプ政権は強いアメリカを作り出すとの期待感もあり、株価は上昇した。根強いトランプ支持派が約40%弱いることも事実である。米国のメディア情報をそのまま鵜呑み出来ない状況もあり、メディアリテラシーが必要だと言うことになる。

ところで、最近トランプの嘘という言葉が日本のマスコミでも目立ち始めた。1987年刊行「トランプ自伝」のゴーストライター、シュウォルツ氏が、自責の念に駆られて、昨年7月「ニューヨーカー」に暴露した。
「どんなに見え見えの嘘だろうと、一度嘘が通ると、トランプは、あらゆることを嘘で塗り固める。異常なほど衝動的で自己中心的な性格」と、シュウォルツは言う。「トランプがとる態度は、『おまえはクズだ、嘘つきのクソ野郎だ』と相手を罵倒するか『おまえは最高だ』とおだてるかの2つしかない」と紹介している。安倍さんと孫さんは、最高の部類に入るのだろう。
 
ニューヨークのトランプタワーは有名だがトランプ氏は、「世界トップの有名人がここに入居している」と嘘の名前をマスコミに発表するのは常套手段だという。ヤンキース松井秀喜や田中マー君なども入居者と発表されたが嘘のようだ。米国大統領の人間性を知るうえで参考になる。英国では、メイ首相の嘘という歌がヒットチャートの1位である。日本はどうなのか。

 トランプは、大統領選挙に当選すると、公約実現のために日米の企業を恫喝し始めた。大統領の権力の偉大さを見せつけている。また米国企業も大統領を忖度した言動が出てきた。嘆かわしいがこれが現実なのだ。すり寄るCEOもいて情けない。
トランプは大統領に就任前から、米空調大手キャリア、鉄鋼大手USスティール、IBM、通信大手スプリントを傘下に持つ日本のソフトバンクなどに、「米国内での雇用を新規創出する」、あるいは「工場海外移転をやめ、米国内の雇用を維持する」ことを約束させている。トランプの口撃を受けてもいない企業でも、海外移転した海外工場を米国に戻す、メキシコ生産を諦めるなどの対応を自主的に取り始めている。電動工具大手ブラック・アンド・デッカーのロリCEOは、「中国やメキシコとの貿易が不確実な今、工場を米国に戻すことがビジネス上の賢明な判断だ」と述べ、恭順の意を表明した。
フォードのCEOフィールズはドル高是正を求めた。日本車に「入ってくるな」と言っているに等しい。メキシコに工場を作ることをいち早く撤回しトランプに誰よりも早く恭順の意を示した男だ。このCEOはトヨタを始めに日本車のことをトランプに告げ口していると噂されている。彼は以前、マツダの社長をしていたことがあったが、日本側経営陣との折り合いが悪く、追い出されるように日本を去った人物だ。
次回は日本企業のトランプ対策について。
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