サブプライムローンの証券化を利用して、金儲けをたくらんだヘッジファンドとは何者なのだろうか。ここ半年ばかり静かにしていたが、また騒ぎ始めている。質の悪い暴走族のようなものだ。このように言うと暴走族が怒るかもしれない。俺たちは、大人になるとまともになるが、ヘッジファンドの奴らは、不良な大人が悪事を隠しながら金儲けをするたちの悪い奴だと。
ファンドの存在がなんなのかよくわからない。リーマン・ブラザーズもヘッジファンドを作り儲けに走り、走りすぎて破綻をした。最近このような類が世間を騒がせ続けている。以前もあった村上ファンドなどもう過去のものとなるほど時代の流れが速い。
この種の類の規制についても検討する必要があるとの声が各国から出て、5月のロンドン緊急サミットにて、ヘッジファンドの監視を強化するということが一文に入ったが、何もされていない。石油・穀物のなどの先物買いの価格上昇など、これにも大いに関係している。プライムローンが破綻し、行き場のなくなったファンド類が、この市場に金を回してしている結果だ。
日銀の前総裁が村上ファンドに投資をして問題視されたが、今の金融関係者には、倫理観の薄れた人間が多い。このようなファンドに金を預ける人物も問題がある。倫理観なぞ無縁な人々が、世界の金融業界にたむろをしている恐ろしさがある。
元へ戻るが、この得体の知れないファンドが何の存在価値があるのか。社会に貢献しているのだろうか。不労所得者のあぶく銭が、世界をかき回し、真面目な人々の生活を脅かす。このようなことは決して許されてはならない。彼らには,CSRなど、そんなの関係ない、そんなの関係ないと腹から笑っている連中なのだ。金を儲けるだけで、責任を伴わない、連中が世に存在すること自体、不愉快きわまりない。
岡野工業社長の岡野雅行は世界一の職人といわれている。誰にもできないことをやり遂げてしまうからだ。自らは社長といわず代表社員といっている。金属深絞り加工の世界的職人として知られ、東京都墨田区の従業員数6人という小さな町工場でありながら、その高い技術カが日本はもちろん、世界の大企業やNASAなどに注目され、製品が次々に採用される実績を持っている。仕事はいっぱいで発注待ちの企業が多い。岡野工業には不況がない。
岡野社長は「たくさんの失敗をやっているから世界一のものがつくれる。誰にもできない仕事はオレがやる!」と携帯電話リチウム電池ケース、痛くない注射器等、世界的企業ができなかった製品を続々開発してきた。これだけの技術力がありながら小企業なのは親の遺言を守ってきたからだという。
父親の遺言が面白く素晴らしい。国は信用するな、銀行はアテにするな、保険に入るな、他人の保証人になるな、会社は大きくするな――の5つでこれを岡野社長は守ってきた。
世に言う大企業もこのような企業から始まっているのだが、大きくなるにつれて変わっていく。
大企業になってもその本質があまり変わらないのがホンダではないだろうか。他者ができないことをやる。本田宗一郎は、中小企業の親父の時に、岡野社長と同じことをいっている。100回やって、99回失敗をする。成功とはそのようなもので、失敗をいちいちなじっていては誰もやる気をなくす。特に若い時は失敗をしておくものだといっている。
チャレンジするから失敗もする。やる気があるから失敗もあるのだ。その中からたくさんのことを学び、創造的な仕事ができるようになるのだといえる。減点主義の組織には創造的な仕事はできない。お役所がその代表的な組織であり、官僚的な企業には明日がなくなる。
偉大な技術者の本質は共通の点が多い。それは創造性の高さと企業としての社会に対する責任感の強さである。
インドのタタ自動車の20万円の自動車が世界的な話題となっている。この車の影響を受けてインドでは、各社が価格の安い自動車の販売を始めた。インドの国民にとっては安く車が手に入り自動車に乗ることができる大衆車時代が来た。しかし、大きな問題がある。CO2の対策はどうなっているのか、このタタの低価格路線に引きずられて、インドの車が増え、さらにCO2も増えるのだ。CO2削減などどこ吹く風である。この車には経済発展に寄与する、タタは自動車の革命児だと奇妙なレッテルが張られ驚嘆とも思われる評価もされているが、大いに疑問がある。
さてもうひとつは、三菱自動車に代表される電気自動車である。今年度は行政を中心に販売し、来年度以降に一般市民に売られるという。三菱が苦労に苦労を重ねてつくりこんできた車である。排気ガスもなく,CO2も出さないという優れものである。家庭のプラグで充電もでき、素晴らしいことばかりのようだ。
でも将来この電気自動車が自動車のメインになると何も問題がないのか。この自動車のエネルギー電気はどこで、どのように作られているのだろうか。電気製造のプロセスにも責任を持たなければならない。自然エネルギー・原子力でない限りCO2を発生して電気は作られるのだ。ドイツにおいて電気自動車への評価が今ひとつの理由に挙げられているのが、電気自動車の電気のエネルギー源が自然エネルギーか、原子力かへの疑問があるからだ。どのようなエネルギーが使用されるのかという問題である。
国内を走る乗用車がすべて電気自動車に置き換わったら、日本全体で1年間に排出されるCO2は8%削減できると、電気自動車の普及を後押しする東京電力は、そんな試算を発表している。この場合の電気はどのように製造された電気なのかの発表はない。世界でCO2の排出規制が厳しくなる中、ガソリン車の5分の1〜3分の1程度しかエネルギーを消費せず、排出ガスも出さない電気自動車に注目が集まっているが本当に全体で電力消費量が減り,CO2も減るのか真実を知りたい。三菱自動車にもこの点を明確にして、受け入れられる体制をつくって欲しい。それが企業としての社会的責任である。
ェ!本当ですか!というニュースが米国から伝わってきた。日本でも最近よく言われ、国会でも問題となっている「ワーク・アンド・バランス」に関することである。この意味は簡単に言うと「仕事と家庭の両立」ということで、企業が社員の長時間労働を防ぎ、育児や介護と仕事が両立できるよう配慮することを求められる時代になったということだが。
日本では、厚生労働省の認可法人、財団法人21世紀職業財団が「社員を大切にする優秀な企業」として認定する事業を始めた。認定された企業は、「ワークアンドライフバランスマーク(WLB)」を使用できる。デザインは、円の中に「WLB」という文字があり、円の外側を「社員を大事にしています」というメッセージが囲む。
この認可基準は次のようなものだ。
・WLBに取り組むことが、経営・人事方針として明らかになっているか。
・心身へ過大な負荷を与えるような長時間労働となっていないか。
・仕事と仕事以外の生活との両立を困難にするような恒常的な時間外・休日労働が行われていないか。
・休日・休暇など仕事から自由になる機会が確保されているか。
・家庭責任として最も就業に影響を及ぼす要因である育児・介護について、仕事との両立に配慮がなされているか。
・社員の多様なニーズに配慮し、仕事以外の生活において自己実現を図ることを支援しているか。
でもWLB本家である米国ではどうも大きな問題があるらしい。エ!の話である。
米国のコンサルティング会社が1,789人の労働者を対象に実施した調査では、WLBの実現を「不可能だ」と答えたのは、女性で87%、男性で89%だ。また、96%が「会社で提供されるWLBのプログラムは効果がなく、利用しがたい」と回答している。さらに、仕事と生活のバランスが保てない兆候を示す症状として、次の10項目が紹介されている。
1大切な人との関係が疎遠になったり、悪化している。 2友人と過ごす時間が十分にない。3常にストレスやイライラを感じたり、怒りっぽくなる。4労働生産性の低下。 5仕事に集中できない 。6睡眠障害 。7子どもっぽい行動をとる 。8常に疲労感がある。9趣味のための時間がない。10うまく休暇を楽しむことができない
これを見ると、日本でもこのような問題があるように思われる。上のような認可基準の前に企業とNPO、行政でこのような深刻な問題、もっと基本的なことを検討する必要があると思われる。ただイメージや雰囲気だけで進めてもうまくいきそうにない。これは企業の社会的責任であるというほど簡単な問題ではない。
6月12日は、児童労働反対世界デー(World Day against Child Labour)である。2002年に国際労働機関(ILO)が最悪の形態の児童労働の撤廃を呼びかけるために定めたものである。毎年世界各地で様々な活動が展開されている。
これは、児童に強制労働をさせ、健康や勉学の自由を奪い、さらに安い賃金で働かせることをやめさせる運動で、児童の人間としての尊厳を守ろうということである。
日本では関係ないように思われているが、サプライチェーン(供給網)をたどれば海外の工場では程度の差はあれ行われている確立が高い。
この児童労働がグローバルな問題となってもう25年以上になる。ことの発端は、英国のBBC放送が「ナイキのベトナムにおける児童労働問題の特集」を行ったことによる。
ナイキは子供たちに強制労度をさせ、靴などを作っているとの非難である。これをきっかけにNGOがナイキ非難のキャンペーンを行った。ナイキには世界中に900を超える工場がある。しかし、この工場はナイキのものではなく、契約工場だという言い訳をした。でもこの言い訳は通じなかった。BBCは2000年に入り再度この問題を取り上げた。スイスのダボス会議の会場では、ナイキ非難のキャンペーンとデモが行われ、世界中にこのニュースは流れた。ナイキのイメージと売り上げはかなり落ちこんだ。
ナイキは工場への児童労働の廃止の指導と教育を始めた。ナイキは児童労働への対応をまじめに行っているというキャンペーンを展開した。最近のナイキは工場進出先に小学校を建て勉強の機会を作っている。このようなことをしながら地元の安い労働力を確保している。中国ではレンガ工場で、誘拐してきた子供たちに強制労働をさせていることが発覚し、当局の摘発を受けた。
さてもうひとつ、みんなが好きなチョコレートも児童労働でできているという問題である。チョコレートが児童労働で汚されていないと消費者が確信できるほど、原料供給プロセスは透明でない。大半のスイスのチョコレートメーカーが、カカオ豆の購入先に関する詳細を公表できないかしたがらない。
世界のカカオ豆の約6割が西アフリカで栽培されており、大半は強制児童労働が特に問題視されているコートジボワールで収穫されている。チョコレートは日本でもいろいろなところで売られている。販売する企業はサプライチェーンのチェックも必要となり、CSRの問題が生じている。私たちの食生活は貧しい人たちの苦痛と苦労に支えられているところもあるのだ。